検索結果詳細


 『歌行燈』 従吾所好

「これ、其の位な事は出来よう。いや、其も度胸だな。見た処、其のやうに気が弱くては、如何な事も遣つけられまい、可哀相に。」と声が掠れる。
「あの……私が、自分から、言ひます事は出来ません、お恥しいのでございますが、舞の真似が少しばかり立てますの、其も唯一ツだけ。」
 と云ふ顔を俯向けて、恥かしさうに又手を支く。

 518/744 519/744 520/744


  [Index]