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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 と其方を見た、和郎《わろ》はきょとんと仰向いて、烏もおらぬに何じゃやら、頻に空を仰いでござる。
 「唐突《だしぬけ》に笑うから、ははあ、この団子も看板を取違えたのかと思ったんだよ。」
 「ええ、ええ、否《いいえ》、お前様、」

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