検索結果詳細


 『義血侠血』 青空文庫

 これ悪漢が持てりし兇器なるが、渠らは白糸を手籠《てご》めにせしとき、かれこれ悶着の間に取り遺《おと》せしを、忘れて捨て行きたるなり。
 糸はたちまち慄然として寒さを感《おぼ》えたりしが、やがて拾い取りて月に翳しつつ、
「これを証拠に訴えれば手掛かりがあるだろう。そのうちにはまたなんとか都合もできよう。……これは今死ぬのは。……」

 531/706 532/706 533/706


  [Index]