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『春昼』
泉鏡花を読む
えゝ、つかぬことを申したやうでありますが、客人の話について、些と考へました事がござる。客人は、それ、其の山路を行かれたので――此の観音の御堂を離れて、」
「成程、其の何んとも知れない、石像の処へ、」
と胸を伏せて顔を見る。
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