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『高野聖』
泉鏡花を読む
瀧の水を見るにつけても耐へ難いのは其事であつた、いや、冷汗が流れますて。
其上、もう気がたるみ、筋が弛んで、早や歩行くのに飽きが来て、喜ばねばならぬ人家が近づいたのも、高がよくされて口の臭い婆さんに渋茶を振舞はれるのが関の山と、里へ入るのも厭になつたから、石の上へ膝を懸けた、丁度目の下にある瀧ぢやつた、これがさ、後に聞くと女夫瀧と言ふさうで。
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