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 『眉かくしの霊』 泉鏡花を読む

「お料理番さん……私は決して、料理をとやかう言うたのではないのですよ。……弱つたな、何うも、実はね、ある其の宴会の席で、其の席に居た芸妓が、木曽の鶫の話をしたんです――大分酒が乱れて来て、何とか節と言ふのが、あつち此方ではじまると、木曽節と言ふのがこの時顕れて、――きいても可懐しい土地だから、うろ覚えに覚えて居るが(木曽へ木曽へと積出す米は)何とかつて言ふのでね……」

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