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 『義血侠血』 青空文庫

「静かに!」と白糸は身を露わして、庖丁を衝き付けたり。
 内儀は賊の姿を見るより、ペったりと膝を折り敷き、その場に打ち俯して、がたがたと慄いぬ。糸の度胸はすでに十分定まりたり。
「おい、内君《おかみさん》、金を出しな。これさ、金を出せというのに」

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