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 『義血侠血』 青空文庫

「偸児《どろぼう》!」と呼び懸けて白糸に飛び蒐《かか》りつ。
 自糸は不意を撃たれて驚きしが、すかさず庖丁の柄《え》を返して、力任せに渠の頭を撃てり。渠は屈せず、賊の懐に手を捻じ込みて、かの百円を奪い返さんとせり。糸はその手に咬み着き、片手には庖丁振り抗《あ》げて、再び柄をもて渠の脾腹を吃《くら》わしぬ。

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