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 『高野聖』 泉鏡花を読む

 すると医者の内弟子で薬局、拭掃除もすれば総菜畠の芋も掘る、近い所へは車夫も勤めた、下男兼帯の熊蔵といふ、其頃二十四五歳、希塩散に単舎利別を混ぜたのを瓶に盗んで、内が吝嗇ぢやから見附かると叱られる、之を股引や袴と一所に戸棚の上に載せて置いて、隙さへあればちびり/\と飲んでた男が、庭掃除をするといつて、件の蜂の巣を見つけたつけ。

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