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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
どんと倒落《さかおと》しに飛んで下りたは三毛猫だあ。川の死骸と同じ毛色じゃ、(これは、と思うと縁へ出て)……と客人の若《わけ》え方が言わっしゃったで、私《わし》は思わず傍へ退いたが。
庭へ下りて、草茫々の中へ隠れたのを、急いで障子の外へ出て見ている内に、床の間に据えて置いた、その手毬がさ。はい、忽然《こつねん》と消えちゅうは、……此処の事だね。」
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