検索結果詳細


 『義血侠血』 青空文庫

「南京出刃打ち? いかさま、見たことがございました。あいつらが? ふうむ。ずいぶん遣りかねますまいよ」
「その晩橋場の交番の前を怪しい風体のやつが通ったので、巡査が咎めるとこそこそ遁げ出したから、こいつ胡散だと引っ捉えて見ると、着ている浴衣の片袖がない」
 談ここに到りて、甲と乙とは、思わず同音に嗟《うめ》きぬ。乗り合いは弁者の顔を〓《うかが》いて、その後段を渇望せり。

 613/706 614/706 615/706


  [Index]