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 『義血侠血』 青空文庫

 談ここに到りて、甲と乙とは、思わず同音に嗟《うめ》きぬ。乗り合いは弁者の顔を〓《うかが》いて、その後段を渇望せり。
 甲者は重ねて感嘆の声を発して、
「おもしろい! なるほど。浴衣の片袖がない! 天も……なんとやらで、なんとかして漏らさず……ですな」

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