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 『五大力』 従吾所好

 で、開けて入ると、ちらりと見えた。白地に紺だと思ふ、あらい棒縞の寝ン寝子を着て、長火鉢の正面に頬杖で居たつけが、島田を見せて、長羅宇〈ながぎせる〉をキツと支いて、背筋を捻ぢるやうに向うを向いたのを……チラリと見たまゝ、突如〈いきなり〉床柱を視めたが、あらう筈なし、と云ふうちに何にも無い。
 はつ、」
 と嘆息して、俯向いて、

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