検索結果詳細


 『春昼』 泉鏡花を読む

 客人はあと二三日、石の唐櫃に篭つたやうに、我と我を、手足も縛るばかり、謹んで引篭つてござつたし、私も亦油断なく見張つて居たでございますが、貴下、聊か目を離しました僅の隙に、何処か姿が見えなくなつて、木樵が来て、点燈頃、(私、今、来がけに、彼処さ、蛇の矢倉で見かけたよ、)
 と知らせました。
 客人は又其晩のやうな芝居が見たくなつたのでございませう。

 623/628 624/628 625/628


  [Index]