検索結果詳細


 『義血侠血』 青空文庫

「証拠になろうという物はそればかりではない。死骸のそばに出刃庖丁が捨ててあった。柄の所に片仮名のテの字の焼き印のある、これを調べると、出刃打ちの用《つか》っていた道具だ。それに今の片袖がそいつの浴衣に差違《ちがい》ないので、まず犯罪人はこいつとだれも目を着けたさ」
 旅商人は膝を進めつ。
「へえ、それじゃそいつじゃないんでございますかい」

 625/706 626/706 627/706


  [Index]