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 『二、三羽――十二、三羽』 青空文庫

 牛乳屋《ちちや》が露地へ入れば驚き、酒屋の小僧が「今日《こんち》は」を叫べば逃げ、大工が来たと見ればすくみ、屋根屋が来ればひそみ、畳屋が来ても寄りつかない。
 いつかは、何かの新聞で、東海道の何某《なにがし》は雀うちの老手である。並木づたいに御油《ごゆ》から坂まで行く間に、雀の獲もの約一千を下らないと言うのを見て戦慄した。

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