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『五大力』
従吾所好
此が、同じ形で、式台に、草履を高く、部屋着の小紋の紋着で、すつくりと立つたのを、――茶屋へも帰らず、すぐに車をつけてもらつた――蹴込の上で、も一度見た。
ふと何だ……それまでは、狂人だと思つたらう、其で
顔
を見せないのだと極めて居たのに……あゝ、あの、其の遊女の
顔
が浮草の面なのぢやないかと思つた。
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