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 『日本橋』 青空文庫

 と後で人にそう云った。またこの飴屋が、喇叭も吹かず、太鼓をトンとも鳴らさぬかわりに、いつでも広告の比羅がわり、赤い涎掛をしている名代の菩薩でなお可笑い。
「笹や、笹々笹や笹、笹を買わんせ煤竹を――」
 大高うまい、と今呼ばれた、件の(鼬みめよし)が、笹をわざと、島田の上で、ばさばさと振りながら、足踏をして唱出した。

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