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 『五大力』 従吾所好

 品ものが面だけに、串戯らしく聞えようけれども、真個に、こんなのが、面くらつたと云ふんだらうね。……串戯ぢやあない。
 其処らの棟の鬼瓦でも、霜を被つてけりや、噛りつきたいほどなんだ。」
 と、戯らしく言ひながら、得堪へぬ状して、ふと外を覗いた。小弥太の夢のやうな顔は、霜に更けて、行燈と二つ白かつた。

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