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 『五大力』 従吾所好

 一方から、火鉢に踞つて居た親仁が、むつくと出て、ひよこ/\と廻り状に、屋台の前なる、其の梅川の行燈を覗き込むや、フツと吹く……とぼツと車の泥障〈あふり〉に映つて消える。
 小弥太の衝〈つツ〉と出る端〈はな〉を、其のまゝ圧戻す体に、囲の中へ、逆に戻つて、
「何か、角長な人魂に見えて、尚ほお心持が変に成ります。早や、何事も迷ひの種でございます。……先づ/\、お落着きなさつて、凡て御分別は、夜があけてから、お太陽様〈てんとうさま〉と又、御相談が可うございますよ。」

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