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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
「ああ、御遠方じゃ、」
と更めて
顔
を見る目も、法師は我ながら遙々《はるばる》と海を視《なが》める思いがした。旅の窶《やつれ》が何となく、袖を圧して、その単衣の縞柄にも顕れていたのであった。
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