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 『歌行燈』 従吾所好

(可厭だ、可厭だ、可厭だ。)と、此方は夢中に出ようとする、よける、留める、行違ふで、やはな、かぐら堂の二階中みし/\と鳴る。風は轟々と当る。唯黒雲に捲かれたやうで、可恐しくなつた、凄さは凄し。
 衝と、引潜つて、ドンと飛び摺りに、どゞゞと駈け下りると、ね。
(袖や、止めませい。)

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