検索結果詳細
『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
「どたん、ばたん、豪《えら》い騒ぎ。その立騒ぐのに連れて、むくむくむくむく、と畳を、貴僧《あなた》、四隅から持上げますが、二隅ずつ、どん、どん、順に十畳敷を一時に十ウ、下から握拳《にぎりこぶし》を突出すようです。それ毛だらけだ、わあ女の腕だなんて言いますが、何、その畳の隅が裏返るように目まぐるしく飜《かえ》るんです。
713/1510
714/1510
715/1510
[Index]