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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 法師もこれあるがために暗いような、和郎の影法師を伏目に見て、
 「一ツ分けて遣りましょうかね。団子が欲しいのかも知れん、それだと思いが可恐《おそろ》しい。真個《ほんとう》に石にでもなると大変。」
 「食気《くいけ》の狂人《きちがい》ではござりませんに、御無用になさりまし。

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