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 『縁結び』 青空文庫

「ご免《めん》下さいまし、」
 はらりと沈《しず》んだ衣《きぬ》の音で、早《はや》入口へちゃんと両手を。肩がしなやかに袂の尖《さき》、揺《ゆ》れつつ畳《たたみ》に敷いたのは、藤《ふじ》の房《ふさ》の丈長《たけなが》く末濃《すえご》に靡《なび》いた装《よそおい》である。

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