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 『絵本の春』 青空文庫

 もっとも、話の中の川堤《かわづつみ》の松並木が、やがて柳になって、町の目貫《めぬき》へ続く処に、木造の大橋があったのを、この年、石に架《かけ》かえた。工事七分という処で、橋杭《はしぐい》が鼻の穴のようになったため水を驚かしたのであろうも知れない。
 僥倖《さいわい》に、白昼の出水だったから、男女に人はない。二階家はそのままで、辛うじて凌《しの》いだが、平屋はほとんど濁流の瀬に洗われた。

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