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 『五大力』 従吾所好

 見紛ふ方なき浮草小町の面である。
 されば、天の簪の、明星の如く、夜行く人の黒髪を照らすと見たのは、名工の鑿の光が、細工に篭つた燐火〈おにび〉であつた。蒼い影は、時に、女性の鬢を辷つて、手にした面の其の黛を、どんより照らして、雲の如き下髪〈さげがみ〉の描ける額を宙にす。……

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