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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 確か三人づれで、若い衆が見えました。やっぱり酒を御持参で。大分お支度があったと見えて、するめの足を噛りながら、冷酒《ひやざけ》を茶碗で煽るようなんじゃありません。
 竹の皮包みから、この陽気じゃ魚の宵越しは出来ん、といって、焼蒲鉾なんか出して。
 旨《うも》うございましたよ、私もお相伴しましたっけ、」

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