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 『泉鏡花自筆年譜』 泉鏡花を読む

 明治十七年六月、父にともなはれて、石川郡松任、成の摩耶夫人に詣づ。径の流れに合歓の花咲き、池に杜若紫なり。なき母を思ひ慕ふ念いよいよ深し。学期より金沢高等小学校に入学。後一年ならずして、北陸英和学校に転ず、西洋人によって経営されたるミッションスクールなり。ウィルソン第一読本よりはじめて、パレイ万国史にいたる。
 明治二十年五月、英和学校をひき、専門学校、(後の第四高等学校)入学準備中、町内のわんぱく等、あひともに、やあやあなどと武者修行の真似をなし、遊戯中、大怪我をなす。ために素志を飜して、英数学の某私塾に通ふ。英語の教授を手伝ふ。

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