検索結果詳細


 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 「一人でも客がありますと、それだけ鶴谷では喜びますそうです。持主の本宅が喜びますものを、誰に御遠慮が入りますものですか。私もお連があって、どんなに嬉しいか知れません。」
 「そりゃ、鶴谷殿はじめ、貴下《あなた》の思召《おぼしめ》しはさように難有うございましても、別にその……ええ、先ず、持主が鶴谷としますと、この空屋敷の御支配でございますな、――その何とも異様な、あの、その、」

 859/1510 860/1510 861/1510


  [Index]