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『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径
「あの、岩一枚、子産石《こうみいし》と申しまして、小さなのは細螺《きしゃご》、碁石ぐらい、頃あいの御供餅《おそなえ》ほどのから、大きなのになりますと、一人では持切れませぬようなのまで、こっとり円い、些と、平扁味《ひらたみ》のあります石が、何処からとなくころころと産れますでございます。
その平扁味《ひらたみ》な処が、恰好よく乗りますから、二つかさねて、お持仏なり、神棚へなり、お祭りになりますと、子のない方が、いや、もう、年子にお出来なさりますと、申しますので。
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