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 『婦系図』 青空文庫

「ついでに少々お焼きなさいますなぞもまた、へへへへへ、お宜しゅうございましょう。御婦人のお客で、お二階じゃ大層お話が持てますそうでございますから。」
「憚様《はばかりさま》。お客は旦那様のお友達の様《おっかさん》でございます。」
 めの字が鯛をおろす形は、いつ見てもしみじみ可い、と評判の手つきに見惚《みと》れながら、お源が引取って口を入れる。

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