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 『逢ふ夜』 従吾所好

 あとで路地口で別れた時は、其の店も最う閉つて居た。
 婦の胸は、木戸の扉について凭れるやうに、男の背を追ひながら、ふら/\と路地の内から鎖したのであつた。
 口で覘くか、と、ひつたりと顔を当てて、

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