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 『逢ふ夜』 従吾所好

 婦の胸は、木戸の扉について凭れるやうに、男の背を追ひながら、ふら/\と路地の内から鎖したのであつた。
 口で覘くか、と、ひつたりとを当てて、
「済みませんがね、……私が内へ入るまで、其処に見て居て下さいましな。小児の時から、お馴染なんですけれど、暗いとお稲荷さんの前が可恐いんですから。」

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