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『高野聖』
泉鏡花を読む
(可し。)
思切つて坂道を取つて懸つた、侠気があつたのでは
ござ
らぬ、血気に逸つたでは固よりない、今申したやうではずつと悟つたやうぢやが、いやなか/\の臆病者、川の水を飲むのさへ気が怯けたほど生命が大事で、何故又と謂はつしやるか。
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