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『婦系図』
青空文庫
主税は一目見て、胸が騒いだ。右の方のが、お妙である。
リボンも顔も単《ひとえ》に白く、かすりの羽織が夜の艶に、ちらちらと蝶が行交う歩行《あるき》ぶり、
紅
ちらめく袖は長いが、不断着の姿は、年も二ツ三ツ長《た》けて大人びて、愛らしいよりも艶麗《あでやか》であった。
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