検索結果詳細


 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 丑童子《うしどうじ》、斑の御神、と一心に念じて、傍目も触らないで、瞻《みつ》めていると、その丑の年丑の月丑の日の……丑時になると、その鏡に……前世から定まった縁の人の姿が見える、という伝説があります。
 娘は、誰も勝手を知らない、その家で、その丑待《うしまち》を独《ひとり》でして、何かに誘われてふらふらと出たんですって。……それっきりになっているんですもの。
 手のつけようがありますまい。

 964/1510 965/1510 966/1510


  [Index]