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 『日本橋』 青空文庫

 これがもし対丈で、赤皮の靴を穿けば、樺太の海賊であるが、腰の下の見すぼらしさで、北海道の定九郎。
 見よかし羆の袖を突出し、腕を頤のあたりへ上げ状に拱いた、手首へ面を引傾げて、横睨みにじろじろと人を見る癖。
「帰るのかあ。」と少し訛る。

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