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 『婦系図』 青空文庫

 主税は、お妙の背後《うしろ》姿を見送って、風が染みるような懐手で、俯向き勝ちに薬師堂の方へ歩行《ある》いて来て、ここに露店の中に、三世相がひっくりかえって、これ見よ、と言わないばかりなのに目が留まって、漫《そぞろ》に手に取って、相性の処を開けたのであった。
 その英吉が、金の性《しょう》、お妙が、土性であることは、あらかじめお蔦が《うつくし》い指の節から、寅卯戌亥《とらういぬい》と繰出したものである。

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