検索結果詳細


 『天守物語』 泉鏡花を読む

夫人 いえ/\、農家のものは大切だから、等閑《なほざり》には成りません。
薄 其の儀は畏《かしこま》りました。お前様、まあ、それよりも、おめしかへを遊ばしまし、おめしものが濡れまして、お気味が悪うござりませう。
夫人 おかげで濡れはしなかつた。気味の悪い事もないけれど、隔てぬ中の女同士も、お亀様に、此のまゝでは失礼だらう。(立つ)着換へませうか。

 96/480 97/480 98/480


  [Index]