BCJクリスマス・コンサート2001(2)
  G.F.ヘンデル/メサイア(全曲)


2001/12/24 東京:サントリーホール 17:00 サントリーホール「聖夜のメサイア」

*同一プロダクション・・・12/22 大阪:いずみホール 17:00 「いずみホール・クリスマスコンサート」  


G.F.ヘンデル/オラトリオ『メサイア』 HWV56 (全曲)
           *1753年4月13日、コヴェント・ガーデン劇場における公演に基づく


指揮:鈴木雅明
独唱:スザンヌ・リディーン(S)、波多野睦美(A)、ヤン・コボウ(T)、ステファン・マクラウド(B)
合唱と器楽:バッハ・コレギウム・ジャパン (全出演者リストはこちらです。)


BCJ初登場! スザンヌ・リディーン(ソプラノ)について
 
 スウェーデン生まれ。ストックホルム王立音楽院とバーゼル・スコラ・カントゥルムで学ぶ。ヨーロッパを中心に特にバロックとウィーン古典派の音楽をレパートリーとして活躍。96年よりストックホルム王立音楽院の声楽教育科と古楽科で教鞭を執っている。オペラではモンテヴェルディの「ポッペアの戴冠」、パーセル「ディドとエネアス」などのバロック・オペラのタイトルロールを得意とする他、ホグウッド、パロット、ヤーコプスら著名指揮者による古楽オーケストラとも共演を重ねている。CD録音や放送への出演も多い。

(いずみホール・BCJ「メサイア」チラシ掲載文より)

【コメント】
 「聖夜のメサイア」と銘打たれたサントリーホールの企画による演奏会。大阪公演は同様にいずみホールの企画によるもの。両日共に売り切れの盛況で充実した演奏が繰り広げられた。
 音楽の開始を導く「いざわれら大いなる出来事をうたわん」(ヴァージル「牧歌」第4巻からの引用)の朗読はバスのマクラウドが担当。BCJのCDと同じ4人のソリストによるコヴェント・ガーデン劇場における1753年4月13日の公演に基づいた演奏が始まった。第1部でトランペットが登場する部分、今回のサントリーホール公演では客を入れなかったステージ後ろのP席の上、オルガンの演奏台の前から高らかに演奏された。これが非常に効果的。休憩後の2部、3部では合唱、オケ共に響きをつかみ、迫力のある演奏。ハレルヤ・コーラスでは2階の後方など推定50人ほどの聴衆が立ち上がっていた。
 最後のアリアである第52曲「もし神がわたしたちの味方であるならば・・・」がCDとは異なるソプラノで歌われた。初登場のリディーンは張りと艶のある美しい声。バッハのカンタ−タも聴いてみたいと思った。そして、しなやかさとパワーが交錯するアーメン・コーラスで全曲が閉じられると大きな拍手。その歓声に応え、アンコールとして「きよしこの夜」がアカペラのコーラスで披露された。なかなか凝った和声で大人の味わいを感じさせるアレンジ(鈴木雅明さんのご子息で芸大作曲科で学んでいる鈴木優人[まさと]さんによるものとのこと)に会場も大満足。来年のクリスマスイブにもこのサントリーホールでの公演が決まっている。
(01/12/30)

VIVA! BCJに戻る
これまでの演奏会記録に戻る