ライプツィヒ・バッハ音楽祭2005レポート


 5月3日〜5日の3日間だけですが、バッハの街ライプツィヒでバッハ音楽祭を鑑賞して参りましたので、このページでその模様の一部をお届けします! ちなみに来年の音楽祭にはオープニングにBCJが登場する予定(2006/05/27@ニコライ教会)です!!

(05/05/07、5/4,5分改訂)

5/3ムジカ・アンテクヮ・ケルン演奏会(リフォメーション教会)
ライプツィヒ空港でさっそくバッハさんがお出迎えしてくれました!(左)
ホテルにチェックイン後、中央駅そばのリフォメーション教会(中央)で開催された20:00開演のコンサートNo.16、「遺産 II/J. S.バッハ:フーガの技法 BWV1080」に行きました。V.ハウスマン作曲のフーガに続き、フーガの技法全曲が一気に演奏され、かのバッハの絶筆とコメントされていた場面でフーガが途切れると会場はしばしの静寂のあと大きな喝采に包まれました。バッハの街にやってきたことを実感したひとときでした!(演奏はラインハルト・ゲーベル率いるムジカ・アンティクア・ケルン:右)
5/4ガーディナー指揮モンテヴェルディ合唱団&イングリッシュ・バロック・ソロイスツ演奏会(聖トーマス教会)
聖トーマス教会で「マタイ」。特別な体験でした。まず、モンテヴェルディ合唱団事務局の計らいで午後のリハーサルを見学させていただきましたので、その様子から。オルガンバルコニーいっぱいにメンバーが広がり、その中央にマエストロ・ガーディナーが立ちます(左)。バルコニーの左端(第1グループ側)に福音史家のゲンツが陣取り(中左)、反対側の右端にはイエスのヘンシェルが立ちます(中右)。ヘンシェルはほとんど楽譜を見ずに切々とイエスの心情を語っていました。
主なアリアのソリストは合唱席からバルコニー中央の指揮者の脇に出てきて歌います(右:「アウスリーベ」のリハーサル。トラヴェルソも中央前に出てきています)。
 
コンティヌオの鍵盤楽器には、第1グループには合唱団所有のコア・オルガン(左端:メタルのパイプを持つ特製の楽器だそうです)。そして第2グループには教会所有のコア・オルガンとチェンバロが配されて演奏されました。アルト・ソロによる「見よ」のアリア(NBA60曲)が大変美しく、印象に残りました。
14:50に開始されたリハーサルは16:15に終了。一行も、私もいったんホテルに戻り、夜の本番に備えます。写真右端はいただいた招待チケットです。ちなみに合唱団、オケ、そしてマエストロも何と私と同じホテルにお泊まりでした・・・!
 
19:30から本番。会場は満員で、普段は入ることのできない、バッハの墓がある内陣にも座席がしつらえてあります。私の席はちょうど回廊の交差点のところ。うしろを見るとすぐにバッハの墓があり(左端)、前を見ると大オルガンの前に広がる演奏者の皆さんが一望できます。本当に最高の席に着かせていただきました!続く写真は終演後の喝采と、演奏後のステージ上で語らうマエストロ・ガーディナーとトーマス・カントールのビラー氏。ステージにはマエストロの奥様のイザベラさんが案内してくださり、ガーディナー氏に感謝の気持ちをお伝えし、サインをいただきました!帰りがけに振り返って見たトーマス教会の夜景がことのほか美しく見えました。
この日の「マタイ」」は、かつてのガーディナーさん自身の録音と比べてよい意味で角の取れた、しなやかな中に深い思いのこもった演奏でした。終盤の「甘き十字架」のアリアから最後の「憩え」の合唱までが特に印象に残ります。本当に素晴らしい一日でした!
5/5カンタータ礼拝(聖トーマス教会)、大学礼拝(聖ニコライ教会)、
   ポッペン指揮ミュンヘン室内管演奏会(ゲヴァントハウス)、ピエール・アンタイ チェンバロ・リサイタル(旧市庁舎)
昨晩の興奮もさめやらぬまま、まず、朝9:30からトーマス教会でバッハ時代にならったカンタータ礼拝に参加(左)。礼拝の合間にビラー指揮のトーマス教会合唱団ほかのメンバーによるカンタータ128番やサンクトゥスの演奏がありました。礼拝にオルガンは欠かせません。2000年に設置された新しいオルガンの演奏が礼拝の要所を締めます(中左)。礼拝が終わったのが11:45。2時間を超える礼拝でしたが、これでもバッハ時代よりは短いとか・・・。続いて11:15から始まっていたニコライ教会(中右:外観、右:内部)での大学礼拝に参加。こちらはなんとジャズも取り入れたモダンな礼拝でした。
午後になって旧市庁舎前で昼の食事をとりました。メインディシュは今が旬の白アスパラガス(左)。美味でした!
20:00からはゲヴァントハウスでのポッペンの演奏会(中左)。ブランデンブルク協奏曲の合間にストラヴィンスキーやウェーベルンを挟み込む凝ったプログラムでした。右側の2枚は休憩時間のロビーの様子と、そのロビーから眺めた向かいのオペラ劇場の夜景です。ちなみにこの日、オペラ劇場ではベルリオーズの「トロヤ人」が上演されていました。
そして最後に22:30開演のピエール・アンタイによるチェンバロの演奏会です(左:開演前に自ら調律をしているアンタイ氏)。バードの作品やイギリス組曲からの演奏のあと、ゴルトベルク変奏曲が一気に演奏されました。終演は日付の変わった翌6日の0:15。右は会場の旧市庁舎の夜景です。たっぷりバッハに浸った一日でした!フェスティバルはまだまだ続きますが、私はこれで打ち止めです。短いながらも実に中身の詰まった3日間でした!!

(05/05/07)

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