BCJ:J.S.バッハ/管弦楽組曲 全曲演奏会  


2011/01/22  15:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
*同一プロダクション
   2011/01/23 16:00 名古屋:三井住友海上しらかわホール


J.S.バッハ/管弦楽組曲第1番 ハ長調 BWV1066
        管弦楽組曲第4番 ニ長調 BWV1069
           
〜休憩〜
        教会カンタータ第42番 BWV42より シンフォニア
        管弦楽組曲第2番 ロ短調 BWV1067
        管弦楽組曲第3番 ニ長調 BWV1068


    *1/23の名古屋公演では後半がBWV1067、42より、1068の順で演奏された。


《出演メンバー》  

指揮/チェンバロ(BWV1067):鈴木雅明

  トランペットジャン=フランソワ・マドゥフ[I]、
          ジル・ラパン[BWV1069-II、1068-III]
          ジョエル・ラーエンス[BWV1069-III、1068-II]
  ティンパニ:久保昌一
  フラウト・トラヴェルソ: 菅きよみ*
  オーボエ:三宮正満[I]、尾崎温子[II]、前橋ゆかり[III(BWV1069)&II アシスタント(BWV1068)]
  ファゴット:村上由紀子
  ヴァイオリンI:寺神戸 亮*(コンサートマスター:BWV1045-1,2 Solo)、高田あずみ、山口幸恵
  ヴァイオリンII:若松夏美*、荒木優子、竹嶋祐子
  ヴィオラ:秋葉美佳*、渡部安見子
  チェロ:鈴木秀美*、武澤秀平
  ヴィオローネ:西澤誠治*
  チェンバロ:鈴木優人

  ※組曲第2番 BWV1067は*の7人で演奏。

(11/01/24)


BCJ/J.S.バッハ:管弦楽組曲 全曲演奏会

かつて「体に効くバッハ」という講座を行ったことがありますが、思えば《管弦楽組曲》ほど“身体的”な音楽もないでしょう。バッハの天才的な手腕によって、ひとつひとつの舞曲は際だった個性を発揮し、千変万化のリズムがわれわれの体を直に魅了してしまいます。あの有名な第3番「エア」*も、実は低音が刻む律動が命といって過言ではありません。  (*「G線上のアリア」として知られている)
この度の全曲プロジェクトでは、一つの試みとして、フランスよりジャン=フランソワ・マドゥフ率いる3名のトランペット奏者を迎えました。指孔を用いない彼らの「歴史的」演奏術は事件であり、現代人の「音程観」にも一石を投じるホットな存在です。
歌うように滑らかな彼らの吹奏は、どのような「律動」をもたらしてくれるでしょうか。世界で最も「古くて新しい」BCJのバッハに、どうぞご期待ください。

バッハ・コレギウム・ジャパン音楽監督 鈴木雅明

(チラシ掲載文) (11/01/23)


【コメント】
 演奏会が終了してからの詳細情報の更新になってしまいましたので、各組曲ごとのリピートの様子やトピックをご紹介しておきます。

管弦楽組曲第1番 ハ長調 BWV1066
  
序曲:(Grave)あり・(Vivace-Grave)なし
  クーラント:(前半)あり・(後半)あり
  ガボットI:(前半)あり・(後半)あり *弦楽器のみ、II:(前半)あり・(後半)あり、I:(前半)なし・(後半)なし *管楽器入り
  フォルラーヌ:(前半)あり・(後半)あり
  メヌエットI:(前半)あり・(後半)あり、II:(前半)あり・(後半)あり、I:(前半)なし・(後半)なし
  ブレI:(前半)あり・(後半)あり、II:(前半)あり・(後半)あり、I:(前半)なし・(後半)なし
  パスピエI:(前半)あり・(後半)あり、II:(前半)あり・(後半)あり、I:(前半)なし・(後半)なし

管弦楽組曲第4番 ニ長調 BWV1069
  
序曲:(Grave)あり・(Allegro-Grave)なし
  ブレI:(前半)あり・(後半)あり、II:(前半)あり・(後半)あり、I:(前半)あり・(後半)あり
  ガボット:(前半)あり・(後半)あり
  メヌエット[主部]:(前半)あり・(後半)あり、[Trio]:(前半)あり・(後半)あり、[主部]:(前半)なし・(後半)なし
  レジュイサンス:(前半)あり・(後半)あり

管弦楽組曲第2番 ロ短調 BWV1067
 
 序曲:(Grave)あり・(Allegro-Grave)なし
  ロンドー:(前半)あり・(後半)なし
  サラバンド:(前半)あり・(後半)あり
  ブレI:(前半)あり・(後半)あり、II:(前半)あり・(後半)あり、I:(前半)あり・(後半)あり
  ポロネーズ:[主部]:(前半)あり・(後半)あり、[Double]:(前半)あり・(後半)あり、[主部]:(前半)なし・(後半)なし
  メヌエット:(前半)あり・(後半)あり
  バディネリ:(前半)あり・(後半)あり
  
管弦楽組曲第3番 ニ長調 BWV1068

  序曲:(Grave)あり・(Vivace-Grave)あり!
  エア:(前半)あり・(後半)あり
  ガボット:[主部]:(前半)あり・(後半)あり、[中間部]:(前半)あり・(後半)あり、[主部]:(前半)あり・(後半)あり
  ブレ:(前半)あり・(後半)あり
  ジーグ:(前半)あり・(後半)あり
 *序曲とエアではコンチェルタント様式で、第1ヴァイオリンが独奏で演奏された。(序曲のVivaceの一部とエア。)
   特にエアでは第1ヴァイオリンのパートには全曲を通じて装飾が施され、まさに詠唱という表現になっていた。

☆組曲4番、3番に登場したトランペット部隊は3人ともが指孔の無い楽器での演奏。しかしその響きは実にエレガントで美しい。
  3本で奏でるハーモニーは、実にピュアな響きで、ミーントーンに調律された歴史的オルガンの音を思い起こさせてくれた!

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