<バロック・ティンパニ>について
「クリスマス・オラトリオ」第T部冒頭、イエスの降誕を歓呼でお迎えする喜ばしい合唱曲を開くのがリズミカルなティンパニの響きです。
今回、その「クリスマス・オラトリオ」のレコーディング会場におじゃまして、BCJティンパニストの松倉利之さんに色々とお話を伺うことができましたのでレポートいたします。
まずは、楽器の姿形をご覧下さい。
(後方のトランペット奏者のみなさんの中の一番左の方が、いつも素晴らしいソロを聴かせて下さっている島田俊雄さんです!)
ご覧のように、3本の木製の棒を組み合わせたスタンドの上にカマ(ティンパニの本体)をのせてあるので、鼓面の角度の調整は自由自在。皮はもちろん本皮です。
下の毛布は、この日のレコーディングの中で響きのバランスを取る必要から敷かれたもの。オリジナル楽器のアンサンブルなので“響きの作り方(量)”にもっとも神経を使っているとのお話でした。マレット(ばち)は総木製のものを2組、頭が木のままのものと薄く皮でおおったものとを場面に応じて使い分けていらっしゃいました。
この楽器自体は新日本フィルティンパニ奏者の近藤さん所有のものだそうです。
(実際の音は「BCJカンタータCD第5巻」のBWV143の演奏で聴くことができます。)
ティンパニが大活躍する「クリスマス・オラトリオ」のCD発売が今から待ち遠しいですね。
(矢口) (98/1/7)
VIVA!
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