シャルルは物憂げに電話をあごと肩の間にはさんで受け答えしながら、通りかかるメイドのトレイからシャンパングラスを優雅に攫って、口をつけていました。
やがてシャルルは電話を切り、子機を胸に当ててほっと息をつきました。
「おあずかりします」
「ああ、ありがと」
「…こちら、いかがですか?」
すかさずあなたはシャルルに近付いて子機を受け取り、それをエプロンのポケットに突っ込んでおいて、さっきガラスの器にきれいに盛り付けたイチゴを差し出しました。好物だもんね〜!
「え…?」
ニコニコしてイチゴをすすめるあなたに、シャルルは考えに沈みこんでいこうとした顔を向けました。そしていらないと言おうと口を開きかけ、あなたもそんな彼の様子に気付いて「やっぱいらないか…」と思ったとき、横から誰かの手が伸びて、イチゴをひとつ取り上げました。
「ん、甘い」
パクリと指でつまんだイチゴを食べて明るく振る舞うは、和矢君でした。あなたは
