役所巡り

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 結婚生活4年とちょっと。統計学的にも平均年数で離婚する事になり、最初に行う手続きは離婚届を記入する事だった。夫婦の署名と捺印をした後、20歳以上の方2名に証人になってもらって署名捺印をしてもらう。それを携えて市役所にGO。新しい本籍を決める時、基本的にどこの住所にしてもいいのだけど、手続き上面倒にならないように市内某所にする。地番が判らなくても調べてくれるのでOK。記入上の不備も無かったのだけど、地番調べの時間なども含めて10分程度で無事受理される。その時「今やっておくと後で楽ですよ」の窓口嬢の囁きもあり、転居届も提出しておく。実際は引越ししてその場所に住んでいなければ提出できないのだが、後々時間も足りないだろうという事が安易に予想できたので、引越しした事にして提出しておく。「新しい戸籍は4〜5日後に出来ますので」といわれ愕然とするが、気を取り直して母子家庭で受けられる手当てなどの説明を受けて市役所を後にする。それが月曜日。

 金曜日に有給を取って箪笥などの大きな荷物を赤帽に運んでもらう事にしていた。前日の仕事帰り、もしかしたら新しい戸籍が出来ているかもしれないとの熱い期待を胸に、込んでいるだろう市役所を避けて某支所に向かう。窓口で事情を話して本庁(つまり市役所)に問い合わせてもらう。「出来てますよ」と笑顔で答えてくれたので、元の戸籍と新しい戸籍と住民票を2通ずつ取り寄せる。戸籍で言えば、たった1枚の紙切れに450円。総計2,200円。母子家庭のお財布にはかなりの負担になったりしている。

 翌金曜。息子を保育園に送り、いざ裁判所へ。ここでは子供の名字を変えるための手続きを行う。通常離婚届が受理された段階で、旦那の戸籍から抜けるのは妻だけで、子供は親権が母親になろうがそのまま残っている。仮に妻が離婚後旦那の姓を名乗ったとしても戸籍が抜けるのは母親(つまり妻)のみである。だから旧姓に戻った場合、子供の姓が違うと色々と面倒なので、変更の許可をもらうために申し立てを行うのだ。手続きに必要な額の収入証紙600円分と、許可が出た時の許可証を送付してもらうための切手を購入し、必要書類に記入して、父親の戸籍とあたしの戸籍と住民票を添付して提出。1週間くらいで結果が出ますからと、裁判所の職員の笑顔で送られる。そして保育園関係の手続きのため市役所へと向かった。ちなみに「母親と同じ姓を名乗る」手続きは、本来子供が行う手続きであり、15歳以上の子供は自分で行う事が出来る。今回の場合、息子はまだ「みっちゅ」なので、あたし(つまり母親)が「法定代理人」として行った。

 保育園関係の部署は本庁(つまり普通に「市役所」と呼ばれる建物)ではなく、連動式押しボタン信号のある往復4車線の道路の向かいにある、連絡通路なしの別棟(通称第2庁舎)にあり、普通なら市役所に用事があるなら使用する地下駐車場を無視して路上駐車を決め込んだ。


以下続く。




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