着メロ万歳!

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 突然思い立ってピッチの機種変更をした。
 今まで使っていたのは2台目で、Pメールはできるけど漢字変換まではしてくれない、時代遅れも甚だしい機種で、かれこれ2年も使っている。別にそのまま使っていても支障はなかったのだけど、本体の塗装もかなり剥げ、落下による傷も増え、テレビのコマーシャルの様に上司から遠回しに左遷を脅迫されようが何しようがどうしても自分だけの着メロで受信したかったので、MATさんと思案していた。
 前回機種変更した時は、1台目を扱った札幌の業者で、その時はダイレクトメールで無料奉仕だったから、某メーカーの切れやすい機種を使って困っていたMATさんを巻き込んで行った。しかし、待てど暮らせどダイレクトメールが来ない。いや、多分来ていると思う。既婚だった頃の家の方に。郵便の転送期間がとっくに切れているからだ。もしくは送り返され顧客リストから外されているか。どちらにしても何も案内が来ないから、いつも行く電器屋さんに車を走らせた。
 店の中では派手なジャンバーを着たおねいさん達が笑顔を振りまいている。携帯屋さんはどうやらキャンペーン中。年から年中キャンペーン中の様な気もするけど、安く手に入るのは消費者として大歓迎なのでよしとしよう。しかし、店員に必要以上に声をかけられるのは嫌なので、こそこそと商品を物色する。
「PHSをお探しですかぁ?」
一人のおねいちゃんがやってくる。内心「うわ〜」と思ったけど、そこは
笑顔で誤魔化す。しかし、しつこいので 嫌な客に成り下がるの図 質問攻撃でかわす。
「いやぁもう既に持っているので、機種のスペックとか知りたいんですけどね」
「音がいいって、という事は、Beep音からFM音源みたいに変わったんですか?」
・・・最低である。
 MATさんの冷たい視線もなんのその、変な質問ばかりするあたし。そんなあたしを手におえない客だと思ったのか、おねいちゃんはカタログを取り出して渡してくれた。最初からそうしてくれればいいのにぃと思ったが、遊ばれてくれたのでこちらも大満足。結局その日はカタログだけを貰って検討の為帰宅。最近は何だか「エッジ」などという上位互換機も出ているらしく、持っている物で満足していた報いなのか、まったくもって浦島太郎状態で、PHSですらどれも最高の機種に見えてしまう。判らない事をDDIに電話して確認し、MATさんとの話合いの結果、とりあえず第1候補はエッジという事でお開き。機種は自分で着メロが打込めれば何でもよく、何故かPHSに対しては二人して京セラ信者だったりするので、それで決まり。
 翌日、みれでぃちゃんの定期(全く持って不定期だけど(^^;)点検とオイル交換の為マツダに行く。洗車後、近くのデパートへ二人の共通の友人のかなり遅くなった(何せ誕生日はあたしと一緒の9月22日)バースデイプレゼントを買いに行く。それから黄色い壁の某安売電器屋へ行く。狙っていた機種が品切れで、その他のメーカーの物も異様に高価で(購入金額は限りなく0円に近くなきゃという信念がある。今までにピッチ本体にかかった費用は0円(^^;)、昨日行った店に向かった。
 ピッチ売場の前でたたずむ。やっぱりエッジは高価過ぎて手がでない。すると「何かお探しですか〜」と声がする。どうやら昨日遊ばしてくれたおねいちゃんだ。「エッジは出たばかりですから〜」と値引交渉もさせてくれない様子だったので、諦めてピッチの更新という事にする。京セラのを2台頼んで、書類に記入する。あたしの書類でトラブルが起きる。契約者名が既婚時の姓だったからだ。身分証明書の名前と違う事で、担当者が困り果てる。本当は去年離婚して、色々な事(例えばカードとか保険証とか。免許証は更新日が近かったので更新時に変更)に関して名義変更を行った時、DDIだけは「戸籍謄本が必要です」とふざけた事をいったので、「契約する時はホイホイ認めて、内容変更を律義に届ける人に公文書提出ってどういう事?」といい返したら「名義を変えなくても、請求書が届いて利用料の引き落としができれば変更しなくていいです」という事があった。そんなやり取りを説明して納得してもらい手続きを再開。その最中にまたもやトラブルが発生する。狙っていた京セラ製の機種が1台のみとなってしまっていた。今回も二人で同じのを持つ予定でいたのに・・・・・・と思い、次回入荷日を聞くと未定だという。仕方ないので、あたしは今をときめく(何でだ?)東芝製に変更した。15分後、番号の入ったおニュ〜のピッチを持って帰宅。
 家に帰って早速いじくりまわす。勿論マニュアルは困った時にしか読まない。基本的な操作を覚えて、次に取り掛かったのは着メロの入力。東芝製はピアノの真ん中のドをC4とすると、C4からE5#までしかなく、曲によっては入力できないものも出てくる。取りあえずDDRerなあたしとしては、まずバタフライを入力する。入力の仕方の融通の利かなさにいらいらしながらも、何とか曲になる。次はボーイズ。これはオクターヴの関係上半音あげても、最後の方で出ない音が出てくる。何とか誤魔化してよしとする。オリジナルは3曲まで入れられるので、最後にドゥビドゥビをいれる。中々うまく行かない。諦めて、違う曲(しかもアニソン)で我慢する。因みにMATさんも着メロ入力に力を入れている。会社関係の人が「フランダースの犬」を使っているらしい。それに対抗する為に、「あらいぐまラスカル」のオープニングを推薦した。次に「マイムマイム」。これは1曲丸毎入れられる。着信する度踊って下さいね。MATさん。
 そういう訳で、着メロに躍らされた後、携帯で和音が使える機種が最近出てきた。契約上機種交換は半年 間のブランクを必要とするので、半年後が今から楽しみだ。懲りない二人である。




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