STEP1
これだけは絶対覚えておかなくちゃダメ!
〜イタリア語・超入門編〜

旅行でイタリアに行ったときなど,
イタリア語が少しでも話せたら……,と思うことはありませんか。
そんなあなたのために,イタリアに向かう機内でも簡単に覚えられる
イタリア語超入門語を集めてみました。
まずはあいさつから,そして「ありがとう」も忘れずに
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Ciao! 
(チャオ!)

 おそらく,もっとも簡単なイタリア語です。もう日本でも浸透しているかとは思いますがこれくらいはまず覚えましょう。
 意味は言うまでもなく「やあ!」とか「よお!」といった意味ですが「じゃあね」「それじゃ」といった感じでも使えます。要するに,人と出会ったとき,または分かれるときに必ずイタリア人が口にする言葉です。実はイタリア以外でも広く使われており,フランスやスペインでも挨拶の言葉としてすいぶん定着しているようです。
 よく「くだけた間柄で使う」といった記述を辞書などで見かけますが,実際はかなり用途が広く,目上の人に対して使ってもさほど失礼にはあたりません。会社の上司や先生,近所のおじさんやおばさん,店の店員などに対し,あらゆるところで使えます。とりあえず,人と会ったら「Ciao!」でOKです。きっと,にっこり笑って,「Ciao!」と答えてくれるはずです。ただし,TPOをわきまえるイタリア人ですから,その辺はわきまえておきましょう。
 なお,本当にくだけた間柄では「Ciao! Ciao!」などと続けて言うこともあります。

Buon Giorno 
(ボン・ジョルノ)

 「Ciao」と併せて覚えておかなくてはならないのが「Buon Giorno」です。これも知ってるかとは思いますが「こんにちは」という意味です。ただし「Ciao!」よりはややフォーマルな(品のいい)感じです。イタリア人から「Buon Giorno」と声をかけられたら,とりあえず同じように「Buon Giorno」と答えましょう。「Buon Giornata(ボン・ジョルナータ)」と言うこともありますが同じ意味です。
 日本人が旅の途中などでイタリア人のおじさんやおばさんに初めて話しかけるときは普通こちらを使います。大学の教授などに対して,またブティックの店員や劇場の係りの人に対しても,普通は「Buon Giorno」です。
 覚えておいたほうがいいのは,たとえばブティックなどの店に入るときには「Buon Giorno」と言って入ること。これは鉄則です。日本人はとかく無口でブティックなどを散策したりしますが,これはいけません。言葉が分からなくてもいいですから,入るときは「Buon Giorno」,出るときにも「Buon Giorno」と言いましょう。
 ちなみに「Buon Giorno」とは「良い日を」という意味ですが,天候には左右されませんので(日本語の「今日はいい日ですねえ」という挨拶とは違います),雨の日でも曇りの日でも使えます。文字上の意味はあまりありません。ただし,夕方以降は「Buona Sera」になります。

Grazie 
(グラッツィエ)

 実は一番大事な言葉がこれです。意味はもちろん「ありがとう」,英語で言う「Thank you」です。何かしてもらったらとりあえず「Grazie」,これが基本です。忘れないようにしましょう。
 日本にいると,実は「ありがとう」という機会は少ないのですが,欧米諸国では日常のあいさつと同じように「ありがとう」と言います。ちょっと道を聞いたり,買い物をしたときでも「ありがとう」なのです。今の日本語では「どうも」に近いかも知れません。あまり深い意味はないのですが,何かをしてもらったらとりあえず「Grazie」と言うようにしたいものです。
 普通に「Grazie」だけではすまないような場合には(いろいろと世話になったり,夕食に招かれたりしたら),「Grazie Mille(グラッツィエ・ミッレ)」とか「Tante Grazie(タンテ・グラッツィエ)」と言います。どちらも英語で言う「Thank you very much」の意味で,要するに「本当にありがとう」という感じです。
 ちなみに「Mille(ミッレ)」は「1000」の意味,「Tante(Tanto)」は「たくさん」という意味です。「Grazie Millione(グラッツィエ・ミリオーネ)」などと(Millione(ミリオーネ)は「100万」の意味),誇張して(ふざけて?)いうこともあります。

Si/No 
(シー・ノ)

 英語の「Yes」に当たるのが「Si」,「No」はそのまま「No」です。肯定・否定を表す言葉ですね。スペイン語でも同じです。
 発音ですが「Si」は「シ」と「シー」の間くらいの感じです。口を横に長く開いて「シ」と発音するのが正しいやり方です。「No」は「ノー」でも分かりますが,イタリア語らしく言うには「ノ」とあまりのばさず発音するのがポイントです。
 何かを聞かれて「Si」「No」と答えるのは当たり前ですが,話の相づちでもよく「Si,Si」と言います。アメリカ人のよくやる「Ya,Ya」と同じです。
 どこの国に行くにしても,Yes・Noくらいは覚えていかないと何もできませんよね。絶対に覚えましょう。

Questo 
(クエスト)

 「クエスト」と聞いて「秘密?」などと思ってはいけません(ゲームのやりすぎです)。「Questo」とは「これ」という意味の代名詞で,英語で言えば「This」にあたる言葉です。
 一般的な用法としては「This is a pen.」の意味で「Questo e una penna.」というように使いますが,これは学校の参考書レベルのお話です。「Questo」を覚えておいた方がいいというのは実はちょっと違う理由からなのです。
 イタリアに行って,言葉は分からないけれどショッピングをしたいとか,おいしいジェラートやイタリア料理を食べたいという人はたくさんいるはずです。こういうときに,自分の意志を伝えるにはどうするか。そう,欲しいものを指さして「Questo」と言えばいいのです。それだけで,一応買い物くらいはできるはずです。
 もう少し丁寧に言いたいのであれば,「欲しいんですけど」という意味の「Vorrei(ヴォレイ)」という言葉と組み合わせて「Vorrei questo(ヴォレイ・クエスト)」と言えば,とりあえず意志は通じるはずです。「Vorrei」に関してはこの後で紹介しますが,非常に頻度の高い言葉ですから,この際覚えてしまいましょう。

Vorrei 
(ヴォレイ)

 「...がほしいんですが」「...がしたいんですが」という意味の動詞です。英語で言うところの「I would like to...」に当たるやや丁寧な言葉です。
 この後に動詞の不定形をつけるだけで「...したい」となるので簡単に応用できます。たとえば「食べる」という意味の「mangiare(マンジャーレ)」という動詞を付けて「Vorrei mangiare(ヴォレイ・マンジャーレ)」と言えば「食べたい」つまり「おなかが空いている」というくらいのことは分かってもらえるはずです。先ほどの「questo」と組み合わせれば「Vorrei mangiare questo.(ヴォレイ・マンジャーレ・クエスト)」となり,「これが食べたいんですけど... 」という立派なイタリア語の一文ができてしまったことになるのです。
 「Vorrei」は,文法的にいうと「ほしい」の意味の動詞「volere(ヴォレーレ)」の条件法・1人称現在ということになりますが,この辺りのことを説明するとややこしくなるので,とりあえず「...したい」は「Vorrei」と覚えておきましょう。

Per Favore 
(ペルファヴォーレ)

 上の「Vorrei」はやや固い感じもしますが,こちらの「Per Favore」はよりくだけた言葉です。英語で言うと「Please」に当たる「お願い,よろしく」といった言葉なので,バールなどで軽く「Un Cafe per favore(ウン・カッフェ・ペルファヴォーレ)」と言えば,コーヒーが出てきます。とりあえず,名詞と組み合わせて使えば,欲しいものが手に入るという便利な言葉です。
 街角でジェラートを頼むときなどは,前出の「questo」と組み合わせてほしいジェラートを指さしながら「Questo Gelato per favore(クエスト・ジェラート・ペルファヴォーレ)」と言えば完璧です。また「Vorrei」を使った文でも「Per Favore」を組み合わせればより丁寧な感じになります。
 このほか,リストランテなどで食事が終わって勘定を払いたいような場合は「Il Conto Per Favore(イル・コント・ペルファヴォーレ)」といえばOKです。いろいろと使える便利な言葉ですのでぜひ覚えておきましょう

Arrivederci 
(アリヴェデルチ)

 「さようなら」「またね」といった別れの言葉です。「Ciao」や「Buon Giorno」でも別れの挨拶にはなりますが,一番一般的なのはこの「Arrivederci」です。それに,イタリア人はおしゃべり好きですから「Arrivederci, Ciao」などと組み合わせて言うことも多いです。
 「Arrivederci」は長くて言いづらいという人もいると思います。実はこの単語は「a+rivedere+ci」という3つの単語がくっついてできたもので「また我々が再び会うときまで」という意味なのです。中国語の「再見」と語義は同じですね。
 永い別れのときは「A Dio(ア・ディオ)」(「神のもとで」という意味)というなどといった参考書もあるみたいですが,まず「A Dio」とは言いません。ほとんどの場合(たとえ2度と会わないであろう人との別れでも)「Arrivederci」というのが普通です。ですから,ちょっと出会った人と別れるときにも(店を出るときなどでも)気軽に「Arrivederci!」と言いましょう。

 とりあえず,これだけは覚えておきたいという必要最低限の言葉を並べておきました。

 実際,パック旅行などでイタリアに行くという場合はイタリア語など知らなくても添乗員の人が世話をしてくれると思うので,何とか過ごせてしまうものですが,やはり最低の言葉くらいは(あいさつくらいは),覚えておくのが礼儀というものでしょう。まったく言葉を知らない外国人よりも,ちょっとでもその国の言葉を覚えていった方が,その国の人の応対がまるで変わってきますので,上に挙げた8つだけでも覚えていってください。これだけなら誰でも覚えられるでしょ。

次回はSTEP 2のレッスンです
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