難しい話は措くとして、細川政権誕生後に議論された「政治改革」の要とは、「選挙制度改革」であった。いや、本当は政治改革=選挙制度改革ではなかったのだが、いつのまにかマスコミを含めてそうなってしまったちうことであるな。で、結果として小選挙区制度になったわけだが、「完璧な制度はない」という公理を踏まえてもこれがいかにいい加減な制度だったかは、賛成した多くの議員が「間違いだった」と認めていることでも分かるわけだ。
ところで、選挙制度改革がなぜ政治改革になるかといえば、「政権党が複数候補を同一選挙区に立候補させることによる弊害」を無くすためという題目があったのはご存じの通り。理屈としては分かりやすい。自民党が過半数を得るためには、中選挙区では必ず複数の立候補が必要になるからだ。そしてそれが派閥を生み(これには異論あり)、金権腐敗が起きたという指摘もある。だが、他に道はなかったのか。
そこで大胆にもとろん会員である私は次の選挙制度を提案したいとおもう。それは「全国一選挙区による比例代表制」である。つまり、参議院の比例代表制と同じく候補者ではなく政党に投票するのだ。議席配分は完全比例代表であって、ドント式などではない。得票率に応じて配分する。
この制度のメリットとしては、
「死に票がなくなる」
「田中角栄に代表される特定地域の禊で復活がなくなる」
「汚職政治家を名簿に載せることが難しくなる(上に関連して)」
「政党政治が活発化し、選挙では政党の党是・公約が重要視される」
「利権政治が減る(なくなるとは言い切れない(笑))」
「当選後の政党移動がない(個人ではないから)」
デメリットとしては、
「議員の顔が見えなくなる」
「利権誘導ができないため後援会のボスが困る(笑)」
「小党乱立の恐れがある→イタリア化する」
「無所属立候補が不可能になる→タレントの旨みが減る(笑)」
といったところである。
ただし、これを実行するためには次の改革が絶対必要になる。参議院の廃止又は選挙制度の変更、三割と言われる地方自治の正常化。前者はともかく後者はとっても難しい(笑)。ついでにいうならば県議選挙も全県一選挙区が当然である。国の選挙は国全体が、自治体選挙はその自治体全体が選挙区にということになるわけである。「おらが村の先生」なんていう島国根性を捨てよ、ということでもあったりする。
この左巻き野郎、と思われる方もいるだろうが、そうでないことはいずれ他の「とろん」で明らかにしたい。例えば「消費税は20%にしろ」「憲法改正して軍隊を保持しよう」「ホームレスは不法占拠である」などで(笑)。しかし、こりゃとろんちうより街宣活動じゃねえのか(笑)。
夏原 武
Free-lance Writer
NATUHARA Takesi
natuhara@xgang.com
http://www.col.ne.jp/~xgang/
1997/09/10
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