モルタルのつけ方・レンガの加工方法

モルタルのつけ方
1 これがモルタルを練った状態です。
  「モルタル」という種類を勘違い
  しないで下さいね。築炉業界では
  写真の用に粘土質のペースト状の
  「モルタル」という商品があります。
  セメントと砂を混ぜ合わせたものでは
  ありません。ちなみに、図のモルタル
  は、シャモット質の一般的な部類の
  ヒートセット(熱硬性)モルタルです。
  粉状のものを水で練った状態です。
  
2 写真ではデモンストレーション用に
  撮影しましたので、バケツですが、
  本来は「トロ箱」と呼ばれる、持ち運び
  が出来るくらいの箱にモルタルを小分
  して、そこからすくって使う場合が一般
  的です。(すくい易い容器って事です)
3 レンガの1面に見合ったモルタルをすくい
  あげます。こればかりは長年の経験に
  よりますので、感覚を覚えて頂くしかない
  ですね(笑)写真のモルタル量を覚えて
  おいてください。
4 ちなみに、このデモンストレーションでは
  レンガの3面にモルタルをつけようとして
  います。最初の面にスーっと柔らかくすりつけ
  るようにモルタルを伸ばしながらつけていきます。
  
5 一番大きい面に来ました。
  4と同じように均一になるようにモルタルを
  伸ばしながらつけていきます。
  ヒートセットモルタルの厚みの目安は工事の
  状況にもよりますが3〜5ミリ見当
  エアセットモルタルの場合はそれよりも薄く
  なります。素人の方は、最初からこんなに
  スムースにはいかないでしょうね(笑)
  何度かチャレンジして慣れてください。
6 これが、築炉の職人として、一番肝心な
  部分です。一度塗った面のふちをさらに
  モルタルで塗り上げて山にします
  こうしてから、接着する面にレンガを置きます
  と、モルタルが隅々まで行き渡り、密着性が
  増すのです。当然接着した面からは余分な
  モルタルが、はみ出てきますので、コテで
  すくい取ります。この手間を惜しむと、
  「目地切れ」の原因になります。
7 3面目に来ました。
  勿論、付ける位置によって、どこにモルタルを
  つけるかは違ってきます。付ける面が決まったら
  こうして一度に必要な面にモルタルをつけ、一気
  に  接着面に降ろします。出来れば接着して
  からあまり動かしたくないですね。目地を薄くしたい
  場合や、位置がずれてしまったら、仕方ないので、
  プラステッックハンマー等で微調整しましょう。
  水糸や水平器を使って、絶えず前後のレベルを
  見ながら作業してくださいね。
  
レンガの切断加工
1 素人の方は、電動カッターやグラインダーの
  方が加工しやすいですね。断熱レンガや、
  ボード等は鋸でも加工しやすいので、誰に
  でも出来ると思います。耐火レンガは硬いので
  こうやって、築炉の現場では、タガネを使って
  レンガを切断するのも一般的です。
  (これが出来ないと職人とはいえません)
2 一度に同じ面を叩くのではなく、
  切断したい面を順に位置を変えながら
  まわすように、叩いていきます。
  絶対に一度に割ろうなんて思わない事です。
  石を切るのと同じで、切断の目を入れて
  いくのです。
3 切断したい面を順に叩いていって、
  最後に「トン」と叩きますと、上手にいって
  いれば、切りたかったところでレンガが
  綺麗に割れてくれます。
  切断面の微調整(凹凸)は「両刃」と
  呼ばれる刃のついたトンカチで削って
  仕上げますが、上手な人になりますと、本当に
  目標通りのサイズに綺麗に割っています。
  力加減がコツなんですね。